加工後の平面度、真直度、ねじれの指定
打抜き、切断、曲げがブスバーをどう変形させるか。反り、横曲がり、ねじれの正しい測り方、ASTM B187 が定める素材の真直度、現実に達成できる公差、そして矯正を工程のどこに置くべきかまで。
読了目安 9 分更新日 2026-08-18
「バーは平らであること」と書かれた図面は、何も指定していません。この語は、原因も測定方法も達成可能な値も 異なる、幾何学的に別個の 3 つの特性をまとめて指すのに緩く使われています。受入検査での議論は、たいてい そのうちどれを意図していたかについての議論です。
平面度 は面の性質です。すべての点が、公差の値だけ離れた 2 つの平行な平面の間になければなりません。誤差の 方向については何も述べていません。
真直度 は線、稜線、あるいはバーの軸の性質です。長方形断面のブスバーでは 2 つに分かれます。反り は 板厚方向の曲がりで、面を下にして置くとバーががたつきます。横曲がり は幅方向の曲がりで、平らに置くと バーがバナナのように見えます。一方が大きく他方が皆無、ということがありえます。
ねじれ は長手軸まわりの断面の回転で、両端が同じ平面に乗りません。3 つのうち、バーを台に置いて見通しても 分からない唯一のものであり、組立の場で発見されることが最も多いものです。
いずれも基準長さなしには意味を持ちません。「横曲がり 2 mm」は何も伝えていません。「任意の 1000 mm に つき横曲がり 2 mm 以下」が仕様です。
ミルがすでに与えているもの
自社の工程を責める前に、材料が何を持って届いているかを見てください。銅のブスバー、棒、形材を対象とする規格 である ASTM B187/B187M は、真直度を表 10 で、規定された長さにわたって測った円弧の最大深さとして定めて います。
- 一般のバー:60 in [1500 mm] につき 1/4 in [6 mm]
- 板厚 3–15 mm、幅 50–150 mm の半硬質長方形バー:96 in [2400 mm] につき 1/8 in [3 mm]
- 棒:120 in [3000 mm] につき 1/2 in [13 mm]
- 形材:72 in [1800 mm] につき 1/2 in [13 mm]
値と同じだけ方法も重要です。この規格は、真直度からの外れが 水平 になるようにバーを水平な台に置き、鋼尺と 直定規で円弧の最大深さを 1/32 in [0.8 mm] 単位まで測ると定めています。水平に測ることで、結果から重力を 除きます。100 × 10 mm の銅は 3 m で 27 kg あり、両端を支持して垂直方向に測れば自重で数ミリメートルたわみ ますが、そのたわみはバーの性質ではありません。
納入時点で 2.4 m につき 3 mm の横曲がりというのは、組立側の大半が想定しているよりかなり大きな値です。完成 部品の公差が受入公差より厳しいのであれば、工程は誤差を保存するのではなく除去しなければならず、それは設計に 織り込んでおく必要があります。
打抜きが反りと横曲がりを生む仕組み
打抜きは中立に材料を取り除くわけではありません。穴のひとつひとつのまわりに残留応力の場を残し、それらの 合計がバーを動かします。
機構は 2 つ働きます。穴そのもののまわりでは、パンチが入るときに材料が内側かつ下方へ引き込まれて入口側の 領域が圧縮になり、破断の際に材料が出口側の面から押し出されてその領域が引張になります。引張の項が支配的に なると、バーは反ります。これは局所的です。密に打ち抜かれた領域は反り、同じバーの打ち抜かれていない領域は 平らなままです。反りが滑らかな円弧ではなく折れとして現れることが多いのはそのためです。
2 つ目の機構はストロークそのものです。パンチが下降すると、バーはダイの開口へたわみます。上面が圧縮に、 下面が引張になり、そのうち塑性の成分は戻りません。
これを悪化させるものが 4 つあり、4 つとも管理できます。穴の密度 は蓄積される応力を決め、これは図面から 来ます。板厚 はだれと必要な力を増やし、まわりの材料を変形させるのはその力です。実務で最も効くのは 金型の状態 です。鈍ったパンチは鋭いものより実質的に大きな力を要し、だれも大きくなります。これまで そうでなかった機械から急に反ったバーが出はじめる、いつもの説明がこれです。そして クリアランス が小さい と力が上がり、反りも上がります。最後のものは金型寿命を動かす変数と同じで、 銅・アルミブスバーのパンチとダイのクリアランス で扱って います。
反りとは別に、横曲がりは幅方向の非対称から来ます。幅の広いバーの片方の縁に沿って走る穴配置は、応力を受ける 領域を中立軸から外し、バーは平面内で曲がります。中心線に対して対称な配置ならおおむね避けられます。 DIN 43673-1 の標準的な穴位置を支持する、あまり語られない根拠のひとつがこれです。
鋭い工具と適正なクリアランス以外の対策が 2 つあります。ストリッパまたは押え足の圧力を管理してください。 切断中にバーを平らに押さえるものですが、軟らかい銅では過大な圧力がそれ自体でバーを反らせるため、圧力を 下げることが対策になる場合もあります。そして、一方の端を仕上げてから他方に移るのではなく、加工が分散する ように穴の順序を組んでください。ネスティングをそのように設定してあれば、CNC が行ってくれます。
切断がねじれを生む仕組み
ギロチン切断機は幅全体を一度に切りません。上刃はすくい角を持っており、切断は一方の側から他方へ進みます。 それが力を扱える大きさに保っています。この進行が切り離される側に偶力を与え、切片は回転します。
すくい角が支配的な変数です。角度が大きいほど切断力は下がりねじれは増え、小さいほど逆になります。すくい角が 調整できる機械では、正しい設定はその切断が成立する最小の角度です。板厚 6 mm と 16 mm のバーに同じ角度を 使えば、薄いほうに過剰なねじれが出ることが確定します。
そのねじれが目に見えるかどうかは幅と板厚の比が決めます。切断機のメーカーは、切り離した条材が平らに寝るには 板厚の 10–15 倍以上の幅が必要としているのが一般的です。定尺に切ったブスバーは板厚に対して幅が広いため、 ねじれはコルクスクリュー状ではなく切断端のわずかなよじれとして現れます。20 × 10 mm の幅の狭いバーでは比が 2
であり、ねじれは実際に問題になります。ねじれではなく変形を生む切断機側の不具合が 2 つあります。刃のすきまを広く取りすぎると、材料は破断する前に 下刃の上を転がって折れ込み、大きなバリと反った部品を生みます。鈍った刃は切る前に押し潰し、応力を部品に 押し込んで、分離後に下向きに反らせます。どちらも診断の仕方は同じで、切断面を見て過大なだれと短いせん断面が ないかを確認します。形状については 切断とせん断 の概要で扱っています。
曲げによる変形
曲げは意図した変形です。意図していない部分は、曲げのまわりで起こることです。
平曲げでは外側繊維が伸び内側が縮み、両者が等しくないためフランジにはわずかな横曲がりが生じ、曲げの近くで 断面は幅方向にわずかに凹みます。スプリングバックがこれに重なります。パンチが戻るとバーは緩み、補正されて いないスプリングバックは、はさみ角を狂わせフランジを浮かせたままにします。
とくに注意すべき不具合は、曲げの接線に近い穴です。穴のまわりの材料が曲げに引き込まれ、穴は楕円になり位置も 動きます。ボルト通し穴は接線から板厚の 2 倍以上離してください。図面がそれより近い位置を強いる場合は、曲げの 前ではなく後に打ち抜いてください。
正しい測り方
バーは、素性の分からない面に全長を載せるのではなく、平らな基準面、すなわち石定盤か直定規で確認した機械 テーブルの上で 3 点支持してください。
面の平面度は、直定規を向きを変えて何度か当て、すきまをすきまゲージで読むか、ハイトゲージに付けたダイヤル ゲージで走査します。最も悪い読みと、それを取った長さを記録してください。
反りと横曲がりには ASTM B187 の方法を使います。真直度からの外れが水平になるようにバーを水平な台に置き、 測定する稜線に直定規を当て、円弧の最大深さをすきまゲージで読みます。2 つの方向のどちらを測ったのかを記録して ください。横曲がりを測っておいて「反り」と報告するのが、ブスバーで最も多い検査の誤りです。
ねじれは、一端を定盤に平らにクランプし、自由端の 2 つの角それぞれの下のすきまを測ります。ねじれはその 2 つの すきまの差をバー幅で割ったもので、角度またはメートルあたりのミリメートルで報告します。長さを明記してください。 300 mm につき 0.5 mm と 3000 mm につき 0.5 mm は比べられません。
これらのいずれかが合否試験であるなら、基準長さと支持の条件は数値とともに仕様に入るべきものです。
現実に達成できる値
以下の数値は保証ではなく、計画のための目安であり、良好な状態の鋭い金型を前提としています。挙げた機械の仕様は 公表値です。
| 状態 | 真直度 | 注記 |
|---|---|---|
| 納入時、半硬質長方形バー | 2400 mm につき 3 mm | ASTM B187 表 10 の限度 |
| 納入時、一般のバー | 1500 mm につき 6 mm | ASTM B187 表 10 の限度 |
| 軽度の CNC 打抜き後 | 受入時に近い | 穴が少なく対称な配置の場合 |
| 密な、または片寄った打抜き後 | 1 m あたり 1–3 mm 追加 | 目安。穴の密度とともに増える |
| ローラレベリングまたは矯正後 | 1 m あたり 0.5–1 mm | 銅ブスバーについての目安 |
| 専用段曲げラインでのバスダクト板材 | ±0.2 mm/m | 公表仕様、EMAC-BDM |
| ジョイントプレートの穴ピッチ精度 | ±0.1 mm/m 以内 | 公表仕様、EMAC-BDM-SP |
曲げの角度精度は別の仕様であり、平面度と混同すべきではありません。曲げ角度で ±0.1° を保持するサーボ曲げ機は、 フランジが平らかどうかについて何も述べていません。両方が重要であれば、両方を図面に書く必要があります。
積み上げが効いてくるところ
三相の積層区間を考えます。絶縁支持物の上に 100 × 10 mm の銅バーが 4 枚、継手の間隔は 2 m、両端で隣の区間に ボルト締めされています。
各バーはいくらか横曲がりを持ち、その向きはバーごとにランダムです。ASTM の限度なら 2 m でおよそ 2.5 mm です。 横曲がりが互いに逆を向く 2 枚のバーは、接続面に数ミリメートルのすきまを残します。ボルトはそれを閉じます。 銅は柔軟であり、M12 のボルトが板厚 10 mm のバーを曲げるのは造作もないからです。そこで起きたのは、接続部が 曲げの予荷重を抱え、面全体の接触圧力がもはや一様でなくなり、実効の接触面積が図面上の面積より小さくなった、 ということです。
これは外観ではなく温度上昇の問題です。接続部の抵抗は実接触面積で決まり、IEC 61439 のもとでの限度は、素地の銅ブスバーで温度上昇 105 K、外部導体接続用の端子で 70 K です。反りを抱えたまま ボルト締めされた接続部は、設計が想定したより小さい接触面積で使用開始を迎え、熱サイクルとともにさらに失って いきます。設計が接続部ですでに 許容電流の限界 に近いのであれば、その余裕は 使うためにあったものではありません。
穴位置がその上に積み上がります。横曲がりのあるバーは穴配置を曲線の上に載せているため、完璧に打ち抜かれた 配置でも、真直な相手のバーに対しては位置がずれます。ボルトは通ります。通し穴のすきまが大きいからです。それ でも接続部には予応力が入ります。板厚公差は 3 つ目の方向に積み上がります。1 相あたり 4 枚を積層する構成で、 それぞれが公差の下限にあれば、積層の総高さが変わり、したがって締付けボルトの長さとスペーサの高さが変わり ます。この計算は現場でではなく、標準構成ごとに一度行っておいてください。
矯正が正当化される場面
残留する反りやねじれが、接続部に予応力を与えずにアセンブリが吸収できる量を超えるとき、あるいは接続面の 平面度そのものが仕様を外れているときに矯正してください。ラックの中でバーの見栄えを良くするためではありま せん。
最も誤られやすいのは工程の順序です。素材のレベリングは打抜きの 前 に行ってください。打ち抜いたバーを レベリングすると、すでに存在する穴のまわりで応力が再配分され、バーの縁に近い穴を変形させることがあり、 硬質材では次の熱サイクルの後に再び現れる新しい残留応力の場を残すことがあります。ローラレベリングは応力を 再配分します。消しはしません。
したがって、まともな工程計画では矯正は最後の手段です。レベリング済みの素材から始め、 打抜き・切断機 では金型を鋭く、クリアランスを 適正に保ち、加工が分散するように穴配置の順序を組み、機械が許すなら切断機のすくい角を下げ、 曲げステーション ではスプリングバックを補正してフランジが 図面どおりの位置に来るようにします。そうして作られたバーが矯正を必要とすることはめったにありません。
必要な場合は、組立ベンチの木づちに委ねるのではなく、独自の合否測定を伴う工程の 1 ステップとして規定して ください。現状ではその多くが組立ベンチで行われており、そしてそのいずれも記録されていません。
