ブスバーのねじり加工 — 形状、限界、金型
バー幅の関数としてのねじり長さ、そこで生じるせん断ひずみ、断面のそりとエッジの減肉、数度に達するねじりのスプリングバック、クランプの要件、そして曲げではなくねじりを選ぶべき場面まで。
読了目安 8 分更新日 2026-08-18
ねじりは、進行方向を変えずにバーを自身の長手軸まわりに回転させる加工です。経路の向きは合っているのに広い面が 違う平面にある場合に使います。端子が水平に付いたブレーカへ立ち上げる垂直の区間、それぞれ別の端子向きへ 広がらなければならない各相の積層、ブスバー室に対して 90° で取り付けられた機器への引き下ろしといった場面です。
多くの工場はこれを経験則で行っており、出回っている経験則は互いに 3 倍食い違っています。食い違うのには理由が あり、その理由は計算できます。
幅の関数としてのねじり長さ
90° のねじりに割り当てるバー長さについて公表されている指針には、広い幅があります。開閉装置の施工の慣行は ねじり長さをバー幅の 2 倍以上としています。機械メーカーはバー幅の 2.5 倍を下限とすることが多く、公表されて いる例のひとつは幅 20 mm のバーに対してねじり長さ 50 mm を示しています。加工に関する他の指針は幅の 2.5–5 倍を挙げています。手作業の万力による慣行は最も小さい側で幅の 1.5–2 倍を挙げていますが、その数値には 板厚 6 mm、幅 60 mm という限界が添えられています。
これらの数値は、ひずみを見れば整合します。断面の角は、ねじりの軸からおよそバー幅の半分の位置にあります。 長さ L にわたって角度 θ だけ回転させると、表面のせん断ひずみは次のようになります。
γ = (w/2) · θ / L
90° のねじりでは γ = π·w / (4L) に帰着します。伸びのデータと比較するために等価な一軸ひずみへ換算すると ε ≈ γ/√3 です。
| ねじり長さ | 表面せん断ひずみ | 等価ひずみ |
|---|---|---|
| 幅の 1.5 倍 | 0.52 | 30% |
| 幅の 2 倍 | 0.39 | 23% |
| 幅の 2.5 倍 | 0.31 | 18% |
| 幅の 3 倍 | 0.26 | 15% |
| 幅の 4 倍 | 0.20 | 11% |
| 幅の 5 倍 | 0.16 | 9% |
この式は板厚を無視していますが、ブスバーの寸法比では妥当です。100 × 10 mm のバーでは、式が仮定する 50 mm に 対して実際の角の半径は 50.25 mm です。
これで指針の意味が通ります。幅の 2.5 倍では角がおよそ 18 パーセントの等価ひずみを受け、軟質および半硬質の銅は これを問題なく吸収します。幅の 1.5 倍では 30 パーセントとなり、薄く幅の狭い軟質のバーでしか耐えられません。 万力の経験則が自ら添えている適用範囲がまさにそれです。幅の 5 倍では角は 9 パーセントで、硬質材でも余裕が あります。
実用的な規則としては、R220 と R240 で幅の 2.5 倍、R290 で幅の 4 倍、そして質別を問わず幅の 2 倍を下回らない こと。初品で確認してください。EN 13601 の伸びの数値は最小値であり、納入される 材料は通常それを上回るからです。
向きに注意してください。曲げとは逆に働きます。ねじりは 長い ほどひずみが緩やかになります。ねじり長さは機械の 設定値ではなく設計上の割当てなので、経路に譲れる直線長さがなければ、ねじりという選択肢はそもそもありません。
トルクと、立て曲げよりねじりが有利な理由
長方形断面をねじるのに必要な塑性トルクはおおよそ τy·(w·t²/2 − t³/6) で、t² が支配的であり、幅に 対しては比例して増えるだけです。同じ断面を立て曲げするのに必要な塑性モーメントは σy·t·w²/4 で、 幅の 2 乗 に比例して増えます。
耐力 180 N/mm² の半硬質銅で計算すると次のようになります。
| 断面 | 立て曲げの曲げモーメント | ねじりトルク | 比 |
|---|---|---|---|
| 50 × 10 mm | 1 125 N·m | 242 N·m | 4.6× |
| 100 × 10 mm | 4 500 N·m | 502 N·m | 9.0× |
| 160 × 10 mm | 11 520 N·m | 814 N·m | 14.2× |
| 100 × 5 mm | 2 250 N·m | 128 N·m | 17.6× |
この比は全域でおおよそ 0.87·w/t に近い値です。幅が 1 mm 増えるごとに、立て曲げは不釣り合いに難しくなる一方、 ねじりは比例して難しくなるだけです。そして立て曲げが最も苦手とする幅広で薄い断面こそ、この利点が最も大きい ところです。
立て曲げと平曲げの比較 で述べた、ねじりと平曲げを 組み合わせる代替案の定量的な根拠がこれです。バーを 90° ねじり、そのうえで方向転換を通常の平曲げとして行えば、 ひずみを支配するのは幅ではなく板厚になります。難しい加工 1 つが、容易な加工 2 つに置き換わります。
そり、エッジの減肉、そして断面に起こること
ねじりを受ける丸軸は断面が平面のままです。長方形断面はそうなりません。サン・ブナンのねじりのもとで、長方形 断面上の点は鞍形の模様で軸方向に変位し、変位が最大になるのは角です。これがそりであり、円形でない断面では 避けられません。
実務上の帰結が 2 つあります。
ねじられた区間は、母材のバーと寸法上同一ではありません。断面はわずかに皿状になり、角は中央の面に対して 進むか遅れ、ねじり部の縁で測った板厚は公称をわずかに下回ります。通常のブスバーの寸法比では減少は小さく、 数パーセントの程度ですが、それは局所的な抵抗の上昇であり、したがって高温点の候補です。自社の温度上昇の余裕と 照らして確認してください。ブスバー許容電流計算ツール が、その減少が意味を 持ちはじめるまでにその区間が持つ余裕を示します。
そりはクランプ部で拘束もされます。クランプ面が断面を平らに保つ一方で、その間の材料はそろうとするからです。 拘束されたそりはクランプの縁に集中する軸方向応力を生み、ねじりでの割れがねじり部の中央ではなくほぼ常に クランプ線から始まるのはそのためです。クランプ部でねじりが割れるなら、答えはトルクを増やすことではなく、 自由長を伸ばすか、より軟らかいクランプインサートにすることです。
ねじられた区間は加工硬化もしています。ねじりの中や、そのすぐ隣に曲げを置かないでください。そこの材料はすでに 使える延性のかなりの部分を消費しており、母材のバーなら耐える半径で割れます。2 つの加工の間には直線部を残して ください。
ねじりのスプリングバック
ねじりは戻ります。しかも曲げよりかなり大きく戻ります。
除荷時の弾性回復は Δθ = T·L/(G·J) です。ここで T は加えたトルク、L はねじり長さ、G は横弾性係数、J は断面の ねじり定数です。銅の横弾性係数は弾性率からおよそ 46 kN/mm² となります。100 × 10 mm の半硬質のバーを自由長 250 mm で 90° ねじる場合を計算すると、弾性回復はおよそ 5° です。同じバーを 400 mm でねじれば回復はおよそ 8°。160 × 10 mm のバーを 400 mm でねじれば約 7.6° です。
これらは全塑性断面の弾性除荷による一次の見積です。紙の上の値をそのままプログラムするのではなく、初品で 検証してください。これらが確実に示しているのは規模です。ねじりの回復は数度に達し、同じバーの平曲げにおける スプリングバックより一桁大きくなります。
回復がねじり長さとともに増える一方、ひずみは長さとともに減ることにも注意してください。角を守るためにねじりを 長くすると、角度の補正量は大きくなります。両方を最適化する長さは存在しないので、長さはひずみの要件から選び、 角度は補正テーブルに扱わせてください。スプリングバック補正 で述べた補正テーブルの規律がここにも当てはまります。材料、質別、断面、自由長で引き当て、ねじりの行は曲げの行と 完全に分けて保持してください。
クランプと金型
ねじりヘッドは 2 つのクランプから成ります。ひとつは固定、ひとつは回転します。その間の自由なスパンがねじり長さ であり、つまりねじり長さはクランプ位置で決まるため、どの機械でも連続的に調整できるとは限りません。ある割当てを 前提に設計を確定する前に、その刻みを確認してください。
クランプ面がバーに傷を付けてはいけません。銅は軟らかく、全トルク下で滑りを防ぐのに必要な締付け圧力は高い ものです。青銅、アルミニウム、硬質樹脂のインサートが一般的です。面にセレーションのある鋼のジョーはバーに 型を付け、その型はねじりのひずみのもとで割れの起点になります。
一方のクランプは軸方向に動けなければなりません。バーはねじられるとき軸方向にわずかに縮みます。両端を剛に 保持すれば、ねじりのせん断に軸方向の引張が重畳します。それは角のひずみに直接加算され、ねじりだけなら耐えて いたはずのひずみ水準でエッジ割れを生じさせます。フローティングのクランプ、あるいは意図的に持たせた小さな 軸方向の柔軟性が、この問題をなくします。
断面は両方のクランプで直角に保持されている必要もあります。回転方向の滑りは実効的な自由長を短くし、計算した 値よりひずみを上げるうえ、仕上がりの角度も狂わせます。
ブスバー曲げ設備について公表されているねじりの適用範囲は、板厚 5–10 mm、幅 15–100 mm 前後にあるのが通例で、 同じ機械の平曲げの定格より目に見えて狭くなっています。ねじりは EMAC-BB-H12 と SMART-603CNC-S のどちらでも公表された機能であり、 曲げと同じ制御装置、同じ加工プログラムで動作します。ねじり 1 か所と曲げ 2 か所を持つ部品も、段取り 3 回では なく 1 回で済みます。EMAC-BB のヘッドについて示されている ±0.1° は曲げ精度の仕様です。どの機械であれ、 ねじりの繰返し精度はクランプの把持に強く依存するため、曲げの数値から推定するのではなく、自社の材料で 実測して把握してください。
工程計画におけるねじりの位置
打抜きと切断はねじりの前に行ってください。ねじられたバーは打抜きのテーブルに平らに座らず、バックゲージに 対して確実に位置決めできません。
形状が許すなら、ねじりを曲げより先に置いてください。ねじられた断面は、直線のものより曲げ金型で直角に クランプするのが難しくなります。
穴はねじり部からいっさい外してください。ねじりのせん断が高い領域にある穴は、最も悪い場所にある応力集中で あり、そのまわりの材料はねじりが完了する前に裂けます。
ひずみに基づいたねじり長さは図面の段階で見込んでください。ねじりを見込まずに寸法を決めた経路に後からねじりを 押し込むことが、工場が幅の 1.5 倍で試みてバーを廃却する、いつもの原因です。ねじりも 曲げ も長さを消費する加工であり、展開長さはその両方を担わなければなりません。工程の全体像は ブスバーのねじり加工 にあります。
