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バスダクト

段曲げ、フレア加工、ジョイントプレート — バスダクトの継手はどう作られるか

バスダクトの導体を段曲げ、フレア加工、ジョイントプレートで 1 本ボルトの継手に仕上げる 3 つの成形工程を追い、打抜き・張出し・切断の順序と、穴ピッチ誤差が区間内のすべての継手に累積する理由を示します。

読了目安 11 分更新日 2026-08-18

バスダクトについて公表されているもののほぼすべては、完成した系統を説明しています。定格、タップオフ ユニット、IP 保護等級、施工の順序です。継手が実際にどう成形されるのかを説明しているものはほとんどあり ません。奇妙なことです。継手こそ、加工側が作らなければならない部分であり、その区間が温度上昇試験に通るか どうかを決める部分だからです。ただの導体材をバスダクトの端部に変えるのは、3 つの成形工程です。段曲げ、 フレア加工、そしてジョイントプレート。以下では、それぞれが何をし、それを行う機械に何を求めるのかを示します。

区間内のピッチと継手部のピッチは別物

サンドイッチ形バスダクトは、導体どうしを薄い絶縁フィルムを挟んで面と面で重ねます。それがこの構造の狙い です。間隔を最小にすればループ面積が最小になり、それは低いリアクタンスを意味し、力率が悪くても電圧降下が 小さくなります。板厚 6 mm のバーと 0.5 mm の絶縁による 4 極の区間では、導体の中心間隔はおよそ 6.5 mm です。

継手部ではその間隔を保てません。導体は 1 対ごとに 2 枚の導電板で挟まれ、各相の板の対は、設計が主張する 空間距離と沿面距離を満たすだけの厚さの絶縁物で隣の相から隔てられなければなりません。ジョイントブロック内の 導体ピッチは、区間内のピッチの通常 3–4 倍です。したがって導体は継手端に近づくにつれて押し広げられ、その量は それぞれ異なり、いずれもジョイントブロックが想定する正確な高さに到達しなければなりません。

その変位が 段曲げ です。同じ向きの 2 つの曲げを組にしたもので、2 つの面を平行に 保ったまま、バーを区間内の平面から継手の平面へ移します。バー A は 9 mm 上へ、バー B は 3 mm 上へ、バー C は 3 mm 下へ、バー D は 9 mm 下へ。数値はジョイントブロックによって完全に決まりますが、パターンは積層の中心線に 対して対称であり、端面はすべてブロックが定める基準面に揃って仕上がります。 どれか 1 本のオフセットが 0.5 mm 狂うと、そのバーのジョイントプレートは斜めに入り、皿ばねの積み重ねは 不均一に荷重を受け、その相はその区間の寿命が尽きるまで他の 3 相より高温で運転されることになります。

段曲げの成形力

段曲げは図面上では小さく見えますが、プレスの上では小さくありません。力を決めるのは 2 つです。第 1 は断面 です。曲げに要する力は幅に比例し、板厚の 2 乗に比例します。第 2 のほうがより頻繁に過小評価されます。段曲げの 2 つの曲げは互いに近接しているため実効的なダイ開口が短く、短いスパンは同じたわみを得るのに大きな力を要し ます。短いはりが長いはりより大きな荷重を必要とするのと同じことです。

桁の確認をしてみます。EN 13601 の R240/H065、半硬質、引張強さ 240–300 N/mm² の 300 mm × 6 mm の Cu-ETP を取ります。このバーの全断面の引張耐力はおよそ 480 kN です。 局部的な塑性曲げに必要なのはその一部ですが、ダイ開口が短く、2 つ目の曲げが始まる前に最初の曲げで材料が 加工硬化していることを考えれば、小さな一部ではありません。 EMAC-BDM のバスダクトライン のように段曲げステーションを 300 kN で定格した機械は、まさにこのために選定されています。幅広で硬い銅に繰り返しオフセットを与えながら、 ラムのたわみによって 1 本ごとにオフセットが変わらないようにするためです。

スプリングバックはここでも通常の ブスバーの曲げ加工 と同じだけ効いてきますし、 補正はより難しくなります。単一の曲げなら修正すべき角度はひとつです。段曲げでは 2 つの曲げのスプリング バックが部分的に打ち消し合い、残差は角度誤差ではなくオフセット誤差として現れます。そのため作業者には、 見た目に角度がおかしいバーではなく、うまくはまらないバーとして見えます。段曲げのオフセットが目分量で 修正されるのではなく、ストッパに対するプログラム寸法として設定される理由がこれです。

フレア加工は導入部であって 2 つ目の段曲げではない

段曲げはバーの位置を決めます。フレア加工は導体の先端に付ける浅い角度の曲げで、継手の中心線から離れる向きに 開き、その役目はバーが自分の入る溝を見つけられるようにすることです。バスダクトの継手の現地組立とは、ある 区間の素地の導体端を、隣の区間にすでに取り付けられたブロックへ差し込む作業であり、それを頭上で、昇降機の 上で、しばしば無理な姿勢で行います。導入のテーパがないとバーはジョイントプレートの縁や絶縁物に引っかかり、 作業者は力ずくで押し込みます。それがめっきに傷を付け、銅の削りかすを継手の中へ押し込みます。

用語はメーカーによって変わります。端部の成形作業全体をフレア加工と呼ぶところもあれば、フレア加工を先端の テーパに限り、オフセットを段曲げと呼ぶところもあり、機械のカタログでは同じステーションに両方の語を使って いるものもあります。現場で意味を持つのは、この 2 つの形状の公差が違うということです。オフセットははまり 合いの寸法であり、0.1 mm 台で保つ必要があります。フレアの角度は取り扱いのための形状であり、1 度の違いは 何も変えません。これを成形する機械が専用工具ではなくプログラム可能な角度で行うのが通例なのはそのためです。 EMAC-BDM ではフレア加工のストロークは 30 mm で、角度はプログラムで設定されるため、ジョイントブロックが 変わっても工具交換にはなりません。

生産計画上の帰結がひとつあります。導体は同じクランプの中で定尺に切断され成形されるため、長さの基準と オフセットの基準が同じになります。切断と成形が別々の治具を持つ別々の機械で行われれば、受け渡しのたびに、 余裕のない寸法に対して公差の積み上げが加わります。

ジョイントプレートと、打抜き・張出し・切断の順序

ジョイントプレート(誰の図面を読んでいるかによって、スプライスプレート、コネクタプレート、ジョイントバーとも 呼ばれます)は、突き合わせた 2 本の導体の間を橋渡しし、継手を越えて電流を運ぶ導電性の板です。突合せ継手では 重ね合わせの長さにわたって相電流の全量を運ぶため、その断面、めっき、平面度は機械的なパラメータではなく 電気的なパラメータになります。

材料は通常、導体と同じ合金で、銅系であれば Cu-ETP を、より薄い板厚で使います。3–4.5 mm が通常の範囲で、 導体そのものの 5–10 mm に対する値です。アルミ系がアルミの板を使うのも同じ理由です。アルミのバーに銅の板を 当てれば、区間の中で最も高温で最も手の届きにくい部分に異種金属の対を作り込むことになります。

専用のジョイントプレート機での成形の順序は、打抜き、張出し、切断です。真ん中の工程には、名前が示唆する 以上の設計意図が込められています。

打抜き は、板にボルト通し穴を開けます。通常の 打抜き の仕事ですが、この穴の 位置が継手で唯一の自己位置決め形状であるため、その公差がアセンブリ全体の公差になります。

張出し(バルジング、エンボスとも呼ばれます)は、穴のまわり、あるいは穴の脇に、板から隆起した部分を 引き出します。この隆起がスペーサです。2 枚の板が隆起どうしを接触させて向かい合ったとき、隆起の高さが両者の すきまを決め、そのすきまが導体の入る溝になります。同時に、差し込みすぎに対するストッパとしても働くため、 作業者がバーを押し込みすぎて板の背後にある相間絶縁物を潰すことがありません。この技法は古くからあり、 よく文書化されています。米国特許 5760339 は、穴を開けたときに押し出された材料から成形される間隔保持用の 突起を記述しており、まさにこの方法で板の間隔を保ち、差込深さを制限しています。スペーサを板そのものから 成形すれば、部品表から部品が 1 点減り、公差の連鎖から積み上げがひとつ減ります。

切断 は、仕上がった板を条材から切り離します。条材を連続して加工し、切断を最後に行うため、板と板の間に 端材は出ません。

EMAC-BDM-SP
仕様
項目単位
加圧力
公称力(打抜き)200kN
公称力(張出し)200kN
公称力(切断)200kN
速度
X軸最大速度30m/min
加工能力
X軸ストローク1200mm
板材長さ≤6000mm
板材幅継手板に合わせて仕様変更可能120–140mm
板材厚さ継手板に合わせて仕様変更可能3–4.5mm
精度
穴ピッチ精度<±0.1mm/m
電力
最大油圧31.5MPa
総設備容量6kW
寸法・質量
機械寸法(長さ × 幅)2330 × 1660mm
機械質量2200kg

穴ピッチ精度が累積する理由

ジョイントプレート専用機 が加圧力ではなく穴ピッチ精度で 規定されているのは、誤差が累積するからです。

まず継手内の場合です。ジョイントブロック内のすべての板が 1 本のボルトを共有します。ある板の穴が 0.3 mm ずれていれば、その板はボルトに対して中心が出せず、皿ばね座金は偏心して荷重をかけます。ボルト接続部の接触 抵抗は突起先端における実接触面積で決まり、それは見かけの重ね合わせ面積のごく一部です。そしてその実接触面積を 決めるのは、圧力がどう分布するかです。圧力を偏らせれば、板の片側で失う接触のほうが、反対側で得る接触より 速くなります。継手は組み上がりますし、導通の確認にも通り、隣の継手より数ケルビン高温で運転されます。 数十年にわたる負荷サイクルという設計寿命の中で、接続部はそうやって劣化します。

次に区間方向の場合です。バスダクトは建物の形状に合わせて割り付けられます。区間はスイッチボードから始まり 固定点で終わり、すべての区間長とすべての継手すきまの合計がその点に到達しなければなりません。±0.1 mm/m で 加工された条材は、6 m の長さで端から端まで最大 0.6 mm 累積します。±0.5 mm/m の機械は、同じ条材で 3 mm 累積します。3 m の区間で組み上げた 60 m の経路であれば、継手はおよそ 20 か所です。誤差がランダムではなく 系統的であれば、経路は 1 区間あたりの誤差の 20 倍だけ同じ向きにずれていきます。そして機械の誤差はたいてい 系統的です。ノイズではなく送りねじやエンコーダから来るからです。6 mm のずれは継手のすきまが吸収します。 30 mm は吸収されず、最後の区間がはまりません。

つまり ±0.1 mm/m より良い精度を保つ理由は算術です。累積誤差を、ブロックが設計上見込んでいる継手すきまの 内側に収めるためです。

組立 — 1 本ボルトの継手

現代のバスダクトの継手は 1 本ボルトの設計です。1 本の高張力ボルトが積層全体、すなわち絶縁物、板、導体、板、 絶縁物と、相ごとに順に貫通し、1 回の締付けで継手内のすべての接触界面を圧縮します。大型のサンドイッチ形 バスダクトのシリーズについて公表されている数値は、その 1 本のボルトの締付け力を 4,000 lbf 以上、およそ 18 kN としており、それが大径の皿形円錐ばね座金によって接触面に分散されます。およそ 2,000 A を超えると、 同じシリーズは導体群ごとに 1 本ずつ、2 本または 3 本のボルトへ移ります。幅の広くなった導体全体に、1 本の ボルトでは圧力を均等に配分できなくなるためです。

ボルトは通常、二重頭のシャーナットです。外側の頭は規定のトルクで折れるように加工されており、内側の頭が 残ります。そのため、歩いて見て回る検査で、トルクレンチもそのレンチの校正記録もなしに、区間内のすべての継手が 正しく締められたことを確認できます。頭が折れると外れる色付きの表示ディスクを加えた設計もあります。

ブロックに供給される部品が公差を外れていれば、そのいずれも役に立ちません。ジョイントブロックは、既知の高さと 既知のめっき仕上げを持つ導体、既知の位置に穴があり既知の高さの隆起を持つジョイントプレート、そして 1 本の ボルトからの圧力がそのすべてに届くだけ平らな面を前提としています。

規格の位置付け

大半の入札でバスダクトを枠付ける文書は 2 つあり、思われているようには重なっていません。

UL 857 は北米のバスダクト製品規格です。適用範囲は 600 V、6000 A までで、引込用、 幹線用、分岐回路用のバスダクトを対象とします。適合性は追跡工場検査を伴う NRTL のリスティングによります。 つまり、試験された構造が、作り続けることを義務付けられる構造です。 NEMA BU 1 がその隣に製品規格として位置し、BU 1.1 とあわせて 100 A 以上の バスダクトの取り扱いと施工を扱います。

IEC 61439-6

IEC 61439 シリーズ のバスバートランキングの部です。引用 する前に適用範囲を確認してください。交流 1000 V または直流 1500 V までのバスバートランキングシステムに 適用され、UL 857 と違って電流の上限を定めていません。また単独では使えません。IEC 61439-1
に対する 差分として書かれており、IEC 61439-2 と同じくそれと併せて読む必要があります。IEC 60439-2 を置き換え、 バスダクトを、このシリーズの他の部と同じ検証の体系、すなわち試験、計算、検証済みの参照設計との比較の上に 載せました。加工側にとって 3 つ目の経路の実務上の帰結は、出荷する製品が検証されたものと比較可能である 程度に、自社の工程が再現性を持たなければならないということです。この義務は文書管理者ではなく製造に降りて きます。

どちらの規格も、段曲げの作り方は教えてくれません。どちらも、それを下手に作った場合の結果を自社の問題に します。

データセンタの負荷が継手に及ぼしていること

かつてバスダクトの継手は、配電設計の中で電流の小さい後回しの部分でした。それは変わりました。ラックが 5–15 kW という基準から、60、80、100 kW 超を引く AI 向けキャビネットへ移るにつれ、タップオフと継手の定格は 連続 400 A 以上が例外ではなく通常になりました。100 A ではなく 400 A で一生を過ごす継手は、同じ接触抵抗、 同じ閉じられた体積、そして隣に置かれた同じ絶縁物のもとで、16 倍の電力を消費します。

これは加工側が管理すべきものを変えます。接触面のめっきは、原価低減で削られる項目ではなくなります。ジョイント プレートの平面度は外観の問題ではなくなります。そして、雑な継手を吸収してくれていた温度上昇の余裕は、もはや ありません。ある断面について、電流に対して導体温度がどれだけ速く動くのかを見たい場合は、 ブスバー許容電流計算ツール が I²R の関係を具体的にします。

技術的背景

見積依頼

バーと工程の情報が具体的なほど、最初の回答は的確になります。必須項目はご連絡先のみです。